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“世界中の人が「学び」を感じる街・根浜へ”

 東京出身でありながら、東日本大震災を機に岩手に移住し、地域されている細江絵梨さん。

 岩手に関わり始めて6年。岩手県33市町村のうち30市町村にお仕事の関係等で訪れ、復興の様子を様々な視点から見守ってきた細江さんは、現在の岩手/釜石/根浜をどのように見つめているのでしょうか。

 地域社会の中で、その魅力とともに生きる細江さんの想いに迫ります。

根浜MIND-細江絵梨-インタビューに答える細江

Q1:

はじめに、生まれも育ちもお仕事も東京でされていた細江さんが、仕事を辞めて岩手・釜石に来たきっかけ、そして、釜石で活動し続ける理由を教えてください。

 きっかけは、発災時にリアルタイムで映像を見た時、「自分も何かしなきゃ」と思い立ち、ボランティアとして岩手を訪れたことでした。 現地では支援活動を通して地域に関わらせてもらうだけでなく、地元の方々が地域のお祭りなどにも連れていってくださり、地域の魅力に惹かれていきました。

 そして、震災後〜2017年までは岩手県と東京を行ったり来たりしながら東京で岩手ファンコミュニティを拡大する復興支援活動を実施。2017年夏から釜石市に移住し、現地での事業創造の取組みを開始しました。

 そうした中で、人々の暮らしの中で育まれてきた「文化」に魅力を感じるようになり、今尚人々の暮らしの一部として受け紡がれている郷土芸能や伝統工芸品の素晴らしさに感動しました。それらは私にとって、岩手特有のモノとしてこの地域に魅力を感じる、大きな要因の一つだと考えています。

 

 そのように大好きな岩手の中で、私の感じている”釜石市”の魅力には、住民のみなさんの「主体性」が挙げられます。

 釜石市は復興を進める上で、地域住民との対話を大切に進めてきました。そして、住民側の姿勢からも「自分たちで町をつくる」という意志を感じます。

 一例として、根浜地域の住民の皆さんは、震災後に根浜海岸に造られる防波堤の高さについて地域で議論を重ねました。行政の勧めにより、海が見えないほどの高い防波堤を築く地域が多い中、根浜地域は、震災前と同じ、海が見える高さの防波堤を築く結論を出し、安全を考慮して高台エリアへ集団で移住しました。

 根浜の海を見て暮らしてきた地域のみなさんらしく、自身の暮らしと照らし合わせながら主体的に議論・決定したとお聞きし、主体的に「暮らし」やその先の「地域社会」をつくっていく皆さんの姿勢をとても尊敬しています。

 そうした岩手の特質や地域住民のみなさんの魅力に惹かれながら、その「地域社会」をつくっていく上で少しでも力になれればと思って活動しています。

Q2:

現在はどのような思いで根浜MINDの活動に取り組まれていますか?

細江さん:

 実のところ、岩手はとても「学び」の多い地域だと感じています。そして、世界中の人がいろんな形でここ(岩手)に「学び」を得に来るような、さらには、世界中から来た人が「価値観の交換」をするような場(地域)になってほしいという思いで活動をしています。

東京からは遠く離れているし、アクセスも悪いところだけど、なぜか世界中の人がここに集まる、みたいな。

 この根浜MINDで行なっているボートレスキューの普及活動等を中心とした活動を通して、国内の人だけでなく、海外の人とも関係を構築し、その関係を生かして根浜地域内・外の人が多くの「学び」を得られるような活動の一つになっていけば良いなと思っています。

 そして、民間主体のボートレスキュー活動を普及させることを通して、地域住民が「自分たちで」自分たちの身を守る術を得ることで、防災の意識が向上するとともに、その取り組みは地域外の人々への「防災教育」として、深い学びを得る機会につなげていきたいと考えています。

Q3:

お話の中で何度か「学び」という言葉が出ましたが、岩手における活動の中で、具体的にどういったことに「学び」を感じましたか?

細江さん:

 はじめは、冒頭に述べたように人々の育んできた郷土芸能や伝統工芸などの文化面から、自然と対峙し自分たちで暮らしを築いていく様子にとても学びがあると思いました。

 そして釜石へ移住してから、被災経験をもとにした防災への取り組みだったり、地域の中で今後起こりうる問題や災害リスクを想定し、主体的に対策を考える姿勢から「学び」を感じています。

 自ら課題を設定して、その解決策を自分たちで考えるという思考自体は、基本的な「生きる力」として全てに共通して必要なことだということを、改めて気づかせてもらっています。

根浜MIND-細江絵梨-根浜海岸を見つめる細江

根浜海岸を見つめる細江さん

Q3:

これまで根浜MINDの一員として根浜で活動をしている中で、よかったと感じることはなんですか?

細江さん:

 主体的で、素敵な理念とパッションを持ち、そして地域で共に暮らす人々への愛に溢れた根浜地域の皆さんや、Atlantic Pacificのメンバー(Robinさん、Kateさんら)と出会えたことです。ここでいただいた繋がりは、本当に貴重でありがたいもので、私にとって宝物ですね。

 

 地域のつくりかたや、人の呼び込み方など、様々な要素において“釜石らしさ”を大事にして地域づくりを進めるそのあり方は、岩手県内でも特徴的に見えますし、こんなに他所の人材が中に入って作っている地域は他にはなかなかないと思います。ですので、未来の社会の在り方を考えるときに釜石は大事な地域になると期待しています。

 そんな釜石や根浜地域に関わる活動をしていると、自分に返ってくる学びも多く、世界の人と関わるきっかけにもなります。そして何より、そうやって試行錯誤しながらも地域の皆さんと一緒に未来の社会を作っていくことが楽しいです。そして、根浜地域や釜石の取り組み、その価値は、世界中にファンを作ると思っています!!

 ですので、これからも各方面の方々と一緒になって、この地域やボートレスキュー、防災教育等の可能性を追求していきたいと思います!

最後に:

これから釜石や根浜について知る皆さんへメッセージをお願いします!

細江さん:

 釜石・根浜は、本当に空間として居心地の良い環境です。

そして、たくさんの「学び」を得てもらえるようなプログラムを作ってお待ちしていますので、ぜひ1人でも多くの人に釜石・根浜に遊びに来ていただければと思います!

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【川浦】

貴重なお話ありがとうございました!

地域の魅力を語る細江さんの姿からは、この地域の伝統的な文化や人への深い愛情や感謝、尊敬の念が伝わって来ました。

そして、震災後の移住や岩手県内全域で活動された経験のお話から垣間見える、細江さんの「行動力」と行動した先で得られた多様な「学び」からは、インタビュアー自身も「学び」をいただきました。

これからも地域に寄り添いながら、釜石・根浜を世界とつなぐ街にすべく奮闘する細江さんの活躍にご期待ください!

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