top of page

“「理想的な田舎の街・根浜」を目指して”

 根浜MINDの監事で、根浜町内会で事務局長を務める佐々木雄治さん。

震災後の根浜地域の復興、地域づくりを牽引してきた1人であるゆうじさんだからこそ語れる、根浜地域の現状と「理想的な田舎の街・根浜」とは?

 根浜MINDの活動にかける想いと根浜地域への期待が交錯するお話に注目です!

根浜MIND-佐々木雄治-インタビューに答える佐々木

Q1:

ゆうじさんが根浜MINDの一員として活動する理由を教えてください。

ゆうじさん:

 第一の理由として、根浜地域の発展のために、根浜MINDとして普及活動をしている民間主体のボートレスキュー事業が必要だと考えているからです。

イギリスにしかないこのボートレスキューの普及活動のために、彼ら(ボートレスキューの伝道師であるロビンさん、ケイトさんら)がイギリスから遠く離れた釜石・根浜に何度も足を運んでくれること、日本にはここしかない、世界で二番目のボートスクールを根浜でやっていることを、嬉しく思います。

 このチャンスを生かして継続していくことが、根浜地域の一つの観光産業になり、根浜をPRする大きな武器になると期待しています。

 期待が膨らむ一方で、課題も多々あります。

一例として、ボートレスキューの仕組みについては、イギリスでは長年培ったノウハウがありますが、日本では全く新しい救助方法です。そのため、技術的な難しさや、日本における制度上の課題、根浜MINDの運営組織としての課題も多々あるのが現状です。

また、それを運営していくための資金や運営スタッフを十分に確保することも、我々根浜MINDが直面している大きな課題の一つです。

 それでも、根浜地域はもちろんのこと、日本社会にとっても重要な事業になるはずだと大きな可能性を感じているので、日本で広めるためのアレンジを加えるなどの工夫を重ね、数々の課題に向き合いながら意地でも活動を続けていきたいと思っています。

 また、私が根浜MINDの一員として活動する第二の理由として、自分自身のためという側面もあります。

 昨年、40数年務めたサラリーマン職を退職した私にとっては、何か新しい「目標」持って元気に生活したいという個人的な目的もあります。民間主体のボートレスキュー事業の普及活動を通して、毎日を元気に生きるための活力をもらいながら、根浜MINDの一つの事業として成長できるように試行錯誤しています。

Q2:

様々な苦難がありながらの3年の月日のなかで、根浜MINDの一員として活動していてよかったと思えるエピソードを教えてください。

ゆうじさん:

 一番は(レスキューボートを根浜に伝えた)ロビンさん・ケイトさんたちと仲良くなれたことです。イギリスのような遠い国に、心を開ける、信頼できる友人ができたのはとても素晴らしいことですね。

 そして、今秋開催したボートレスキュースクールで、初めて実際のトレーニングに参加してみたことで、ロビンさんとボートレスキューについて理解を深める機会となりました。

 私はこれまで根浜MINDでは写真撮影やスクールを開催する上でのサポート役を担うことが多かったのですが、

今回、実際にトレーニングに参加し、私がものすごい緊張に襲われている中で、ロビンさんたちは平然とクールにレスキューをこなす様子を見て、「本当にこの人は世界の荒波の中で、訓練・レスキューをやってきたんだな」と改めて感じ、その姿からはその経験と実績が自信となって現れていたように見えました。

 またスクールが開かれる時には、自分も再度スクールに参加して、ボートレスキューの技術をさらに磨いておきたいと改めて思いました。

根浜MIND-佐々木雄治-ロビンさん[右1]と初めてのレスキューボートスクール参加後のゆうじさん[左1]

↑ロビンさん[右1]と初めてのレスキューボートスクール参加後のゆうじさん[左1]

Q3:

根浜MINDや民間主体のボートレスキューの仕組みの今後について、どんな展望をお持ちですか。

ゆうじさん:

 究極の目標は、日本国内で、ボートを使ったレスキュースタイルが世の中に認められることです。それが10年先、20年先なのかは今はわからないけれど、とにかく継続していかないことには社会には認められないと思っているので、地道に一歩ずつ進んでいくことができればと思います。細々とでもいいから、「継続」していくことが、将来を見越したときに必要だと信じています。

 そして、それは自分1人で頑張ってもできることではないし、根浜MINDのメンバーだけが頑張ってできることではないとも思っています。

 今後とも、国や海上保安庁といった水難救助の関係機関等と連携をとって、社会にアピールしながら活動を広げていきたいと考えています。

Q4:

今後、根浜地域としてはどのような街づくりを目指して行きたいとお考えですか。

ゆうじさん:

 実のところ、他の被災した地域ではコミュニティが大きく変わっているところも多くあると聞いていますが、根浜では、コミュニティを崩壊させないように、変わらないように維持することを大切にしてきました。そして、それは大変なことでもありました。

 

 震災後も変わらないで根浜らしい街づくりができた要因の一つには、月に一度、町内会主催で開かれる「お茶会」をずっと続けてきたことが挙げられます。そのような「定期的に」顔を合わせて話すような機会を作ること、それを「続けていくこと」はコミュニティを維持するために、本当に大切だと思いますね。

 

 なんでもそうですが、やめてしまうのは簡単です。しかし、一度やめてしまったものを復活させるのは難しい。だから苦しくても「続けること」が本当に大事で、細々とでも「続けること」に意味があると思っています。

 根浜MINDとしてやっているボートレスキュー事業の普及活動も同じことで、今は難しい課題が山積していますが、それでも諦めず粘り強く続けていきたいです。

最後に:

これから根浜や民間主体のボートレスキューの取り組みについて知る皆さんへメッセージをお願いします!

 根浜地域は、東日本大震災以前から釜石市内有数の観光地で、昔から海水浴のお客さんが大勢来てくれていました。震災で津波が来る前は、駐車場も整備されたテニスコートやキャンプ場、ロッジやレストハウスもあって、レジャー地域として形が整っていたところでした。

 根浜には海も山も美しい自然があります。今後レジャー施設なども再び整備されてくると、観光地としてのポテンシャルもさらに上がると期待しています。

 また、近代製鉄発祥の地として世界遺産登録されている「橋野鉄鉱山」も、釜石の唯一無二の魅力の一つとなっています。

根浜MIND-佐々木雄治-ボートレスキュー写真

 さらには、来年はラグビー世界大会が(根浜を含む鵜住居地区にある)「鵜住居復興スタジアム」で開催されるので、(根浜を含む)鵜住居地区の知名度も上がり、より一層魅力ある観光地になると期待しています。

 

美しい自然があり、レジャー施設があり、遺跡があり、ラグビーがあり、・・・と、釜石・根浜はいろんな魅力が詰まっているところなので、ぜひ体験しに足を運んでみてください!

nebamaMAP-17.png

​インタビューページに戻る

【川浦】

根浜地域にかける熱い思いのこもったお話、ありがとうございました!

ゆうじさんが根浜を通して夢見る「理想の街」への想い、ボートレスキューの将来性をお聞きしていると、「意地でもやり遂げる」という情熱が伝わってきました。

 今回は編集の関係で泣く泣くカットせざるを得ませんでしたが、ゆうじさんが考える根浜地域の理想像や町内会を中心とした街づくりへの強い思いは、根浜地域の住民のみなさんをはじめ、根浜地域以外で街づくりに関わっている方々にもぜひ聞いていただきたいなと感じました。

 高齢者が暮らしやすい「理想的な田舎の街」を目指し奮闘するゆうじさん・根浜町内会と、根浜地域の発展に、今後ともご注目ください!

一般社団法人根浜MIND | 根浜MIND公式WEB

 ©2019 NEBAMA MIND all right reserved

TOPへ
TOPへ
bottom of page